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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻5号

1994年05月発行

原著

中耳根治術後耳に対する段階的手術—アブミ骨手術によって聴力改善を得た1症例

著者: 小寺一興1 小山悟1 鈴木淳一1

所属機関: 1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学講座

ページ範囲:P.409 - P.413

文献概要

 はじめに
 中耳根治手術の術後耳に対する聴力改善手術は,アブミ骨底板が固着した例では困難であると考えられている。しかし,原理的には,1)鼓膜を再建し正常粘膜で覆われた中耳腔を再建できること,2)アブミ骨の底板を除去して鼓膜の振動を内耳へ伝達すること,の2点を実現すれば聴力を改善することができる。
 中耳根治術後耳に対して,鼓膜と正常粘膜で覆われた中耳腔を再建する方法としては,著者らは全中耳再建術1)を実施し良好な結果を得ている。また,慢性中耳炎に対するアブミ骨手術は,鼓室硬化症を対象としていくつかの報告2〜6)があり,その有効性は確認されている。したがって,中耳根治術後耳に対しても十分な聴力改善を得られる可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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