文献詳細
原著
両側耳下腺Warthin腫瘍の5症例
著者: 入義典子1 原田輝彦1 山田弘之1 雨皿亮1 田矢理子2 鵜飼幸太郎1 坂倉康夫1
所属機関: 1三重大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2厚生連鈴鹿中央総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.457 - P.462
文献概要
Warthin腫瘍は,唾液腺腫瘍の中でも特有な組織像を示す良性腫瘍の1つである。1972年に発表されたWHO唾液腺腫瘍の分類1)ではadeno-lymphomaの名称で分類されているが,本論文では一般的に用いられているWarthin腫瘍という名称を用いることにする。本腫瘍は耳下腺に好発するといわれるが,多形腺腫に比べ少ないとされており,全耳下腺腫瘍の5〜10%を占めるに過ぎない。耳下腺原発の場合,多くは一側性,孤立性に発生するが,時に両側発生や同側の多中心性発生のこともある。また,耳下腺を含めた唾液腺内のみならず,耳下腺近傍リンパ節や頸部リンパ節からの発生をみることもある。1991年〜1993年の間にわれわれは両側性Warthin腫瘍の5症例を経験したので報告し,文献的考察を加える。
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