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講座 頭頸部外科に必要な局所解剖・15
文献概要
消化管という中空器官の壁は,原則として粘膜・筋層・漿膜(外膜)の3層からできている。粘膜と筋層をくらべると,小腸のように分泌と吸収の場では粘膜に特徴があるし,食道のように飲食物の運搬を業とする区間では筋層の重要性が相対的に増加する。咽頭も同様であり,しかも筋層は周囲の骨格にも付着を獲得するので,多彩な配置を示している。咽頭筋が胃や腸の筋層と異なるところは,胃と腸では平滑筋でつくられ,内輪外縦の層構成をとるのに対し,咽頭では,横紋筋性で,内縦外輪であることである。この項では,咽頭の壁構成,主として筋層の分化について略述しよう。
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