文献詳細
原著
深い咽頭潰瘍を伴った腸管ベーチェットの1例
著者: 安達俊秀1 高橋光明2 横山和典3 寺沢憲一3 武田守正4 高橋英俊5
所属機関: 1名寄市立総合病院耳鼻咽喉科 2旭川医科大学耳鼻咽喉科学教室 3名寄市立総合病院第二内科 4名寄市立総合病院眼科 5名寄市立総合病院皮膚科
ページ範囲:P.566 - P.570
文献概要
ベーチェット病は,口腔粘膜,外陰部の潰瘍,眼症状を3主徴とする疾患として1937年Behçetにより提唱された1)。本疾患は,これら3主症状の他にもさまざまな全身症状を伴うことが知られているが,消化管,大血管,中枢神経をおかす腸管型,血管型,神経型のベーチェットは,特殊型ベーチェットと呼ばれている2)。今回われわれは,咽頭後壁の広範な潰瘍のため当科を受診し,中心静脈栄養開始とともに咽頭潰瘍は改善したが,その後,消化管潰瘍からの大出血のため腸管切除に至った腸管型ベーチェットの1例を経験したので報告する。
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