文献詳細
目でみる耳鼻咽喉科
Multiple symmetric lipomatosisの手術経験
著者: 井上貴博1 川崎篤1 冨田俊樹1
所属機関: 1栃木県済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.684 - P.685
文献概要
症例は39歳男性。主訴は全頸部腫脹。1993年2月初め頃より急速に全頸部の腫脹を認め,同年3月31日精査加療目的で当科初診となる。顎下部から鎖骨レベルまで対称性に全頸部腫脹を認めた(図1)。腫脹は弾性軟で、びまん性に広がり境界は不明瞭であった。既往歴および家族歴は特記すべきことなく,飲酒歴は5年前から晩酌としてビール2本/日とのことであったが,寿司屋の主人で実際には客に勧められて,かなりの飲酒をしていた。術前血液検査所見では,貧血はなく、GOT89IU/l,GPT51IU/l,γ-GTP149mU/ml,LDH508IU/lと軽度の肝機能障害を認めた。頸部MRIでは,頸部全周性に病変を認めた(図2)。
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