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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻8号

1994年08月発行

文献概要

原著

耳下腺腫瘍のMRI—顔面神経の描出について

著者: 多田雄一郎12 長谷川智彦12 戸島均3 菅井幸雄4

所属機関: 1山形県立新庄病院耳鼻咽喉科 2現:東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 3山形大学医学部耳鼻咽喉科学教室 4山形県立新庄病院放射線科

ページ範囲:P.687 - P.691

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 はじめに
 耳下腺腫瘍の外科手術では腫瘍を完全摘出することのみならず,顔面神経の保存に努めることが重要である。したがって術前画像診断の目的は第一に腫瘍の質的診断であり,第二に腫瘍と顔面神経との位置関係を明確にするための部位診断である。従来の画像診断法では直接に顔面神経を描出することは困難であるため,耳下腺周囲組織と腫瘍との位置関係より間接的に部位診断を行っていた1〜4)。しかし近年,MRIの発達により,腺内顔面神経の直接描出が可能となり,部位診断における有用性が報告されている5〜9)。顔面神経を直接描出することができればこれほど確実な部位診断はない。そこで今回,われわれは現在比較的普及している中磁場装置(0.5T)にて腺内顔面神経の描出を試みたので,耳下腺腫瘍におけるMRIの有用性について若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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