文献詳細
原著
ガンマナイフ治療後の顔面神経麻痺
著者: 菅澤恵子16 石井甲介2 竹内直信3 小林武夫4 水野正浩5
所属機関: 1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2埼玉医科大学医療センター耳鼻咽喉科 3三楽病院耳鼻咽喉科 4JR東京総合病院耳鼻咽喉科 5東京大学医学部附属病院分院耳鼻咽喉科 6現:INSERM Unite de Recherche No.229, Laboratoire D'audiologie Experimentale, Hospitale Pellegrin Universlte Bordeaux
ページ範囲:P.693 - P.697
文献概要
成熟組織である末梢神経に対する放射線治療による障害は比較的稀とされている。乳癌に対する放射線治療後の腕神経叢の障害や腹腔内臓器の癌に対する術中照射後の腰神経叢,坐骨神経の障害などが報告されていたが,最近,聴神経腫瘍に対するガンマナイフ治療後に一過性の顔面神経麻痺が比較的高率に出現することが報告されている1,2)。今回われわれは聴神経腫瘍に対するガンマナイフ治療後に顔面神経麻痺が出現した症例を経験し,経時的に顔面神経機能の評価を試みた。その結果,今までの報告1,2)とは異なる興味深い経過をたどることがわかったので報告する。
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