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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科66巻8号

1994年08月発行

文献概要

原著

Wegener肉芽腫症におけるHLAの関与について

著者: 中丸裕爾1 間口四郎1 滝沢昌彦1 竹内ミルトン実1 犬山征夫1

所属機関: 1北海道大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.698 - P.701

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 はじめに
 Wegener肉芽腫症(以下WGと略す)は原因不明の上気道と肺の壊死性肉芽腫性炎,全身の壊死性血管炎および巣状壊死性腎炎を三徴とする疾患である。WGの病因は現在のところ不明であるが,抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)の存在1),血清IgE2)およびIgAレベルの上昇3),抗平滑筋自己抗体の存在3),臨床的に免疫抑制剤やステロイドが奏効することなどより何らかの免疫学的機序が成因に関与しているのではないかと考えられている4)
 一方,HLA抗原は免疫学的認識反応において抗原提示の際に重要な役割を果たしており,自己免疫疾患の発症に関与していると考えられている。事実,ある種の自己免疫疾患において特定のHLA抗原との関与が認められている。
 そこで今回われわれは,WGの発症にHLAが関与しているかどうかを調べるため,当科通院中のWG患者におけるHLAのタイピングを行い正常者のHLAの頻度と比べてみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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