文献詳細
原著
多発奇形を伴ったまれな軟口蓋の異所性脳組織症例
著者: 小川晃弘1 西岡慶子1 木村宣彦1 田村慎一郎2 高田佳輝3 河崎正裕3
所属機関: 1社会保険広島市民病院耳鼻咽喉科 2神戸西市民病院耳鼻咽喉科 3社会保険広島市民病院小児外科
ページ範囲:P.70 - P.73
文献概要
一般的に頭蓋外に神経膠組織からなる腫瘤を形成することはまれであり,nasal glioma (鼻神経膠腫)またはectopic brain tissue (異所性脳組織)としての報告を散見する。その多くは外鼻または鼻腔内に発生し,咽頭部に発生したものは非常にまれで,これらは真性腫瘍というよりもむしろ一種の発生異常と考えられている1)。
われわれは軟口蓋原発で上咽頭に腫瘤形成をみた異所性脳組織の1症例を経験した。この症例は口蓋裂と,くも膜嚢胞を合併したまれな症例であり,異所性脳組織について発生学的機序を中心に若干の文献的考察を加えた。
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