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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科67巻1号

1995年01月発行

文献概要

原著

遊離広背筋皮弁による上顎癌二期再建例

著者: 石津吉彦1

所属機関: 1鳥取県立厚生病院

ページ範囲:P.75 - P.78

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 はじめに
 上顎癌は,ほとんどが進行癌のため,放射線治療,化学療法,手術による三者併用療法が一般的である。眼窩内組織や顔面皮膚に癌の浸潤や再発を認めるものでは,患者のquality of lifeを考えると,拡大上顎全摘術と同時にその再建を行うことが望ましい。
 今回,上顎癌患者に上顎全摘術を施行し,8か月後に眼窩内組織および顔面皮膚に再発を認め,眼球摘出と顔面皮膚の切除を行い,その4か月後に遊離広背筋皮弁を用いて顔面・口蓋の再建を行った。現在,頭頸部癌の欠損に対する遊離皮弁による再建は特別な手技ではなくなっているが,われわれのような地方の施設,特に耳鼻咽喉科の常勤医が少なく,また形成外科医のいないような病院では,まだまだ特殊な手術である。このような条件下で,十分に局所を制御し安全に再建するため,二期再建を1つの手段と考え,ここにその詳細を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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