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特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の画像診断 5.咽頭
2.中咽頭のCT・MRI
著者: 保喜克文1 鎌田信悦1
所属機関: 1癌研究会附属病院頭頸科
ページ範囲:P.154 - P.160
文献購入ページに移動 ■はじめに
中咽頭癌を画像で確認する場合には,その大きさを知ることのほかに周辺組織への浸潤の有無を調べることが重要である。ゆえに画像上,咽頭腔や副咽頭間隙がはっきりと写し出されることで,中咽頭とその周囲組織との境界が明らかにされることが必要である。これらはCT,MRIの性能や造影剤によるコントラストの鮮明さ,および被検者の体型また治療内容によって違いがでてくる。肥満者の場合は咽頭腔が狭く,中咽頭の前壁,側壁,後壁の区別が判断しづらくなることが多い。病気や治療により浮腫状になっている場合も同様である。造影剤に関しては,CTにしてもMRIにしてもその造影効果により血管を含めた周囲組織が鮮明となり,腫瘍のコントラストが周囲の正常組織と差がつきやすく,境界がわかりやすくなる。それゆえ,常に造影剤を使用して検査を行うのがよい。また咽頭腔は歯の影響を受けることが多く,中咽頭のCTでは,歯のアーチファクトで良い画像を得ることが難しい場合がある。一方MRIではそれを避けられることが多い。実際の撮影方法としては,われわれ癌研頭頸科では,CTの場合,ヨード剤は0.5〜0.8ml/secの速度で100〜130ml注入しながら撮影する。MRIの場合はガドリニウムを10ml使用する。原則として造影時のみのフィルムを撮影し,単純フィルムは必要に応じてとしている。CTもMRIもスライス幅は5mmである。初期診断に対してはMRIは原発巣を中心に検索を行い,CTでは原発巣に加えて頸部リンパ節の検索も行うようにしている。撮影方向はMRIでは水平断に加えて,病変が正中にある場合は矢状断を撮り,そうでなければ冠状断を撮ることが多い。CTでは軸位断のみのことが多く,進行癌の場合に冠状断を加えることがある。
中咽頭癌を画像で確認する場合には,その大きさを知ることのほかに周辺組織への浸潤の有無を調べることが重要である。ゆえに画像上,咽頭腔や副咽頭間隙がはっきりと写し出されることで,中咽頭とその周囲組織との境界が明らかにされることが必要である。これらはCT,MRIの性能や造影剤によるコントラストの鮮明さ,および被検者の体型また治療内容によって違いがでてくる。肥満者の場合は咽頭腔が狭く,中咽頭の前壁,側壁,後壁の区別が判断しづらくなることが多い。病気や治療により浮腫状になっている場合も同様である。造影剤に関しては,CTにしてもMRIにしてもその造影効果により血管を含めた周囲組織が鮮明となり,腫瘍のコントラストが周囲の正常組織と差がつきやすく,境界がわかりやすくなる。それゆえ,常に造影剤を使用して検査を行うのがよい。また咽頭腔は歯の影響を受けることが多く,中咽頭のCTでは,歯のアーチファクトで良い画像を得ることが難しい場合がある。一方MRIではそれを避けられることが多い。実際の撮影方法としては,われわれ癌研頭頸科では,CTの場合,ヨード剤は0.5〜0.8ml/secの速度で100〜130ml注入しながら撮影する。MRIの場合はガドリニウムを10ml使用する。原則として造影時のみのフィルムを撮影し,単純フィルムは必要に応じてとしている。CTもMRIもスライス幅は5mmである。初期診断に対してはMRIは原発巣を中心に検索を行い,CTでは原発巣に加えて頸部リンパ節の検索も行うようにしている。撮影方向はMRIでは水平断に加えて,病変が正中にある場合は矢状断を撮り,そうでなければ冠状断を撮ることが多い。CTでは軸位断のみのことが多く,進行癌の場合に冠状断を加えることがある。
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