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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科67巻11号

1995年11月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の画像診断

5.咽頭

3.下咽頭・頸部食道のCT・MRI

著者: 中島格1 宮城千里1 和田進2 島村易2

所属機関: 1国立病院九州がんセンター頭頸科 2国立病院九州がんセンター放射線科

ページ範囲:P.162 - P.168

文献概要

 ■はじめに
 下咽頭・頸部食道癌は,頭頸部悪性腫瘍だけでなく全臓器癌のなかでも予後が不良なことで知られる疾患の1つである。したがって治療成績の向上には他領域疾患以上に早期発見・早期治療が大切であるが,必ずしも容易なことではない。下咽頭・頸部食道は,外部からは見えない部位であり,嚥下障害や嚥下時痛などの症状が出現したときはすでに病期が進行していることが多いからである。また日常診療のなかで下咽頭など上部消化管を直接観察し,診断を行うのは耳鼻咽喉科医だが,そのわれわれも早期発見の機会を逃したり誤診をすることが多いのが実情である。最近になってファイバースコープが一般臨床でも容易に行えるようになり,早期診断されるようになったが,病巣の進展範囲や治療に結びつく情報はどうしても画像診断に頼らざるを得ない。
 CTやMRIは新しい画像診断法として頭頸部領域でも急速に普及してきたが,下咽頭・頸部食道については内視鏡や造影X線などが有効で他の頭頸部疾患ほど定着していない傾向にあった。しかし検査機器の性能の向上に伴ってその有用性はますます高まっており,本稿では著者らの経験を中心に下咽頭・頸部食道のCTおよびMRIによる診断について述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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