文献詳細
原著
外傷性耳小骨離断の術前所見と伝音連鎖再建—アブミ骨骨折症例を中心として
著者: 坂田英明1 小寺一興1 長井今日子2
所属機関: 1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学講座 2群馬大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.347 - P.352
文献概要
外傷性耳小骨離断の多くは,頭部外傷または耳かきによる損傷でおこる。外傷性耳小骨離断の診療では,まずアブミ骨の異常の有無が大きな関心となる。アブミ骨骨折をともなうときは,キヌタ骨の変位の例に比べて内耳への侵襲が大きいと考えられるからである。しかし,本邦における外傷性耳小骨離断の報告は,キヌタ骨の変位の症例が多い1,2)。
本報告では,アブミ骨骨折7例を含む外傷性耳小骨離断13例の術前所見と手術成績を報告し,アブミ骨骨折を中心に,術前診断と適切な手術法などについて考察する。
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