文献詳細
原著
聴力変動を示した前庭水管拡大症候群の1症例
著者: 山本幸代1 藤本政明1 中島智子1 渡辺周一1 増田游1
所属機関: 1岡山大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.405 - P.409
文献概要
画像診断の飛躍的な発達により内耳の形態が詳細に観察できるようになったため,様々なタイプの内耳奇形が発見されるようになってきた。それに伴い,幼児高度感音難聴の原因として,これまでより詳細な内耳奇形の分類を行う必要性が高まってきていると考える。
1978年,Valvassoriら1)は,多軌道断層撮影にて前庭水管(VA)の拡大を示した症例を前庭水管拡大症候群(Large vestibular aqueduct syn-drome,以下LVASと略す)として報告した。以後,LVASは内耳奇形の1型として認識されるようになり,同様の報告が続いて行われるようになった。今回われわれは,典型的な症状を示したLVASの1症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
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