耳鼻咽喉科・頭頸部外科67巻5号

1995年05月発行

原著

両側高度感音難聴を伴ったNoonan症候群の1例

著者： 草野英昭¹ 立木孝² 村井和夫² 金田裕治² 村井盛子³

所属機関： ¹八戸赤十字病院耳鼻咽喉科 ²岩手医科大学耳鼻咽喉科学教室 ³盛岡市立病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.432 - P.436

文献概要

　はじめに
　Noonan症候群は，Turner症候群様身体的特徴を呈するが，染色体の核型は正常であること，また男女両性に見られることからTunner症候群とは異なったものと考えられている。本症候群については本邦でも数多くの報告があるが，先天性心疾患に関するものが大部分で難聴について言及したものは極めて少ない。
　われわれは最近，両側高度難聴を呈し，聴覚管理を必要とするNoonan症候群と考えられる1症例を経験したので若干の考察を加え報告する。