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文献概要
原著
聴神経腫瘍を伴わない両側内耳道拡大の1例
著者: 増田佐和子1 竹内万彦1 坂倉康夫1
所属機関: 1三重大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.680 - P.683
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日常臨床において,単純X線検査上,内耳道の拡大が認められた場合,通常は聴神経腫瘍の存在を疑って諸検査が進められる。しかし,時に,内耳道が著明に拡大しているにもかかわらず腫瘍が見いだせず,その原因が明らかでないことがある。聴神経腫瘍を伴わない内耳道拡大については,過去にいくつかの報告があり,一側性か両側性か,難聴を伴っているかいないかなどによって分類され,また,古典的なvon Recklinghausen病に相当するneurofibromatosis Type1(以下NF1と略す)との関連も示唆されている1)が,とくに両側内耳道が拡大し,しかも難聴を伴う例は非常にまれである1)。今回われわれは,聴神経腫瘍を伴わない両側内耳道拡大に難聴を合併した,いわゆるpatulous canalと考えられる1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
日常臨床において,単純X線検査上,内耳道の拡大が認められた場合,通常は聴神経腫瘍の存在を疑って諸検査が進められる。しかし,時に,内耳道が著明に拡大しているにもかかわらず腫瘍が見いだせず,その原因が明らかでないことがある。聴神経腫瘍を伴わない内耳道拡大については,過去にいくつかの報告があり,一側性か両側性か,難聴を伴っているかいないかなどによって分類され,また,古典的なvon Recklinghausen病に相当するneurofibromatosis Type1(以下NF1と略す)との関連も示唆されている1)が,とくに両側内耳道が拡大し,しかも難聴を伴う例は非常にまれである1)。今回われわれは,聴神経腫瘍を伴わない両側内耳道拡大に難聴を合併した,いわゆるpatulous canalと考えられる1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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