文献詳細
原著
放射線脊髄症を合併した上咽頭癌の1例
著者: 榎本浩幸1 佃守1 河野英浩1 小勝敏幸1 持松いづみ1 長谷川修2
所属機関: 1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科 2横浜市立大学医学部神経内科
ページ範囲:P.761 - P.764
文献概要
上咽頭癌の治療は,この癌の大部分が放射線に対して高い感受性をもつことから,放射線治療が中心的な役割を果たしている1)。この癌は頸部所属リンパ節への転移が多いため,通常照射野は頭蓋底から全頸部を含む範囲となる2)。そのため頸髄への照射は避けられず,まれに照射終了後に放射線脊髄症を合併する例が報告されている3,4)。われわれは上咽頭癌の治療として2施設で合計約120Gyの外照射を受け,その後9か月目に放射線脊髄症を合併した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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