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原著
脳出血で死亡した血友病AIDSの1例—側頭骨病理と脳病理
著者: 藏内隆秀12 加我君孝1 安田寛基3
所属機関: 1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2帝京大学医学部耳鼻咽喉科 3帝京大学医学部第二病理
ページ範囲:P.825 - P.828
文献購入ページに移動AIDS (acquired immunodeficiency syn-drome)は,HIV(human immunodeficiency virus)の免疫系や神経系への感染がもととなり発症する疾患である。日本におけるAIDS患者およびHIV感染者の数は確実に増加の一途をたどっており,それに伴い耳鼻咽喉科医がHIV感染者の診療を行う機会も増えてきているといえよう。AIDS患者およびARC (AIDS-related com-plex)患者は種々の耳疾患(中耳炎,感音難聴など)を高率に有するという報告もあり1),AIDSは耳鼻咽喉科医にとって軽視することのできない疾患である。しかし,AIDSはまだ発見されて間もない疾患であるためか,AIDSの側頭骨病理についての報告は少なく,特に本邦では,これまで報告論文はない。今回われわれは,血友病Aに合併したAIDS患者の側頭骨病理,ならびに脳病理について調べたので報告する。
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