文献詳細
原著
副咽頭間隙良性腫瘍の診断におけるCT・MRIの比較検討—読影指標診断における有用性について
著者: 加瀬康弘1 阿部和也1 石尾健一郎1 水野文恵1 前田陽一郎1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.834 - P.839
文献概要
CT,MRIが副咽頭間隙腫瘍の診断において重要な位置を占めることに異論をはさむ余地はないが,CT,MRIには種々の撮影法があり,撮影法それぞれの診断的価値はまだ検討を要する。一般に用いられる撮影法として,CTならば単純CT,造影CT,MRIならばT1強調画像(以下T1),T2強調画像(以下T2),ガドリニウム造影(以下Gd)が挙げられる。これらの撮影法にはそれぞれ長所があり,すべて施行できれば当然,より正確な診断を期待できるかもしれないが,副咽頭間隙良性腫瘍例を診断する場合にも,はたしてこれらの撮影法すべてを施行する必要があるのだろうか。以前にも12例の副咽頭間隙腫瘍症例においてCTとMRIを比較検討したが1),今回は単純CT,造影CT,T1,T2,Gdについてその有用性,必要性についての検討を,後述の読影指標の同定率の比較を中心に,30例の副咽頭間隙腫瘍についておこなった。
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