文献詳細
原著
頭部打撲後の顔面神経麻痺を初発症状とした乳児の神経芽腫(副腎原発)の1症例
著者: 工藤裕弘1 小林武夫26 宮城真理3 林良樹4 森脇浩一5 別所文雄5
所属機関: 1国立王子病院耳鼻咽喉科 2帝京大学市原病院 3青梅市立総合病院耳鼻咽喉科 4青梅市立総合病院小児科 5東京大学医学部小児科学教室 6JR東京総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.870 - P.873
文献概要
乳幼児の顔面神経麻痺は,日常臨床において時々遭遇する病態であるが,成人とはやや趣を異にする点が少なくない。先天性麻痺を代表とする小児特有の病態があり,また中耳炎のほか,腫瘍,血液疾患など重篤な疾患による症候性麻痺が少なくないことに注意が必要である。
最近われわれは,頭部打撲後の顔面神経麻痺を初発症状とし,当初は外傷性麻痺を思わせたが,その後の検索により副腎原発の神経芽腫であることが判明した症例を経験したので報告する。
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