文献詳細
原著
CREST症候群を合併したシェーグレン症候群の1例
著者: 安達俊秀1 高橋光明2 高橋英俊3 横山和典3 田中秀一4 武田守正5
所属機関: 1名寄市立総合病院耳鼻咽喉科 2旭川医科大学耳鼻咽喉科学教室 3名寄市立総合病院皮膚科 4名寄市立総合病院内科 5名寄市立総合病院眼科
ページ範囲:P.874 - P.877
文献概要
シェーグレン症候群は,口内乾燥感を主症状とする耳鼻咽喉科では比較的よく見られる疾患である。現在は,腺組織を侵し乾燥症状のみをきたす群を一次性シェーグレン症候群(primary Sjö-gren)とし,二次性シェーグレン症候群(secon-dary Sjögren)を関節リウマチ,SLE,強皮症などの膠原病や自己免疫疾患を伴う群と分類することが一般に受け入れられている。今回われわれは,眼および口内の乾燥感を主訴として来院し,その後の検査で強皮症の軽症型といわれるCREST症候群[CREST症候群とは,その5症状および所見の頭文字をとってつけられた名であり,Cはcalcinosis (皮下石灰沈着),RはRaynaud's phe-nomenon (レイノー現象),Eは,esophageal dysmotility (食道蠕動低下),Sはsclerodactyly(手指皮膚硬化),Tはtelangiectasia (末梢血管拡張)を意味する]を合併した二次性シェーグレン症候群症例を経験した。口内乾燥感を主症状として耳鼻咽喉科を訪れるシェーグレン症候群患者には常に二次性シェーグレン症候群が含まれていることを念頭に置きながら診察をすすめる重要性を再認識したので報告する。
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