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手術・手技
舌全摘症例に対する誤嚥防止対策の検討
著者: 塩谷彰浩1 行木英生1 加藤高志1 保谷則之1 佐倉伸洋1 永竿智久1 福積聡2 宮川昌久2
所属機関: 1静岡赤十字病院耳鼻咽喉科気管食道科 2静岡赤十字病院形成外科
ページ範囲:P.22 - P.26
文献購入ページに移動舌口腔癌の外科的治療においては,筋皮弁などによる再建手技の発展に伴い,広範囲切除が積極的に行われるようになった。舌全摘術(舌根を含む)もその1つと言えるが,舌全摘術施行時の喉頭の処理方針には論議があり,誤嚥が制御不能の場合が多いという考えのもとに,喉頭全摘を併施する方針をとっている施設も少なくないように思われる。しかしながら,喉頭を保存すれば,舌全摘による構音機能低下はあるものの,聞き慣れた人との会話は可能であり,また鼻呼吸も保存され,味覚喪失による障害を嗅覚により,ある程度補うことができる。したがって,できる限り喉頭保存に努めるのが,望ましいと思われる。
今回われわれは,舌扁平上皮癌に対し,喉頭を保存して舌根を含む舌全摘および右臼後部および軟口蓋,舌骨,喉頭蓋舌根面粘膜を合併切除後,遊離広背筋皮弁による舌再建と種々の誤嚥防止策を施し,経口摂取開始直後より,誤嚥することなく摂食可能であった症例を経験したので若干の検討を加えたい。
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