文献詳細
原著
前頸部腫瘤として初発した腺様嚢胞癌の1症例
著者: 菊地仁1 朝倉美弥1 芋川英紀1 佐藤成樹1 大橋徹1 加藤功1 品川俊人2
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室 2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院病理学教室
ページ範囲:P.868 - P.870
文献概要
気管原発の悪性腫瘍の発生頻度は極めて低いものの1),その中では腺様嚢胞癌は過半数を占めている2,3)。腺様嚢胞癌は腫瘍の発育が遅く,気管閉塞などの症状が緩徐に進行するため確定診断に時間を要するものが多い4)。また,稀な疾患であるために治療方針などについても諸種の問題点が存在する5)。われわれは最近,前頸部腫瘤として初発した腺様嚢胞癌の1症例を経験したので,その治療経過を,若干の文献的考察とともに報告する。
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