文献詳細
原著
頭頸部扁平上皮癌進行例におけるDNA ploidyの解析
著者: 周莉新1 佃守1 湯山誠一郎1 新井泰弘1 河野英浩1 榎本浩幸1 河合敏1 深谷純教1 井上十与子1 石井明子1
所属機関: 1横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.872 - P.877
文献概要
悪性腫瘍細胞の核DNA ploidy解析は,癌の診断にきわめて有用な腫瘍マーカーの1つであり,悪性度の判定や予後推定の指標として利用されている1)。さらにFlow cytometry (FCM)の使用により,大量の細胞を短時間に客観的に測定することが可能となり,各領域の悪性腫瘍の核DNA量と病期,予後などとの関連性を示す結果が集積されている2)。頭頸部悪性腫瘍にも核DNA量の異常が多くみられ,頭頸部扁平上皮癌進行例におけるDNA ploidyの解析はその悪性度の判定,予後予測のパラメータになるのではないかと考えられている。今回われわれは頭頸部扁平上皮癌進行例の手術凍結材料を用いploidyパターンと臨床,病理の因子との関連性を検討したので,その結果を報告する。
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