文献詳細
原著
口腔底に発生した巨大類表皮嚢胞の1症例
著者: 竹内啓1 善浪弘善1 石尾健一郎1 加瀬康弘1 水野正浩1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.890 - P.893
文献概要
頭頸部の類表皮嚢胞は,一般的に胎生期における第1・2鰓弓の癒合線上に遺残した外胚葉組織の迷入,または外傷・炎症・手術などによる上皮組織の迷入により生じる疾患である。本嚢胞は頭頸部の各所に発生しうるが,口腔領域においては,特に口腔底に発生したものが多く報告されている1,2)。今回,われわれは,口腔底に発生した巨大な類表皮嚢胞の1例を経験した。MRIにより嚢胞と口腔底筋群の位置関係を診断することが本症例の術式の選択の際に有力であったので,文献的考察を加えて報告する。
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