文献詳細
手術・手技
浅側頭動脈島状皮弁による眼瞼の再建—カニ鋏状皮弁の開発
著者: 内沼栄樹1 山本博1 酒井直彦1 石黒匡史1 鈴木雅美1 林和弘1
所属機関: 1北里大学医学部形成外科学教室
ページ範囲:P.915 - P.918
文献概要
Dunham1)は1893年浅側頭動静脈を含めた頭部からの皮弁にて顔面の欠損を再建した。
この報告に刺激を受け,1898年Monks2)は悪性腫瘍切除後の下眼瞼全層欠損に対し浅側頭動静脈を茎とした皮弁にて再建を行っている。しかしながら“島状皮弁”という用語は1917年のEsser3)の報告によるものである。その後,浅側頭動静脈を用いた多くの手術方法が頭頸部の再建に利用され報告されるに至った。
今回筆者らは,浅側頭動脈島状皮弁を,順行性および逆行性に挙上し眼瞼の再建を行ったので報告する。特に,島状皮弁を2つに分割し,上眼瞼および下眼瞼の一期的再建を行った方法は,今日まで報告をみない新しい手術手技である。
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