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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻11号

1996年10月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術マニュアル—私の方法

耳手術

2.鼓膜切開術,鼓膜チューブ留置術

著者: 高山幹子1

所属機関: 1東京女子医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.9 - P.13

文献概要

 はじめに
 鼓膜切開術は鼓室内の貯留液の排除を目的として行われる。したがって排液に十分な大きさがあり排液されやすい部位,さらに切開による合併症あるいは耳小骨や内耳窓に侵襲のない部位を選ぶ必要がある。また鼓膜チューブ留置術はチューブからの排液も含め,チューブの小孔より換気を行うことを主な目的として行われる。
 鼓膜切開はその歴史は古く,一般にはCooper(1801)により初めて行われたとされているが,1694年にRiolanusが聾唖者の耳かきによる外傷性鼓膜穿孔に適用し聴覚が改善されたことに端を発するともされている1,2)
 鼓膜チューブ留置術に関しては,同じ論文2)のなかで,1863年にPhilipeauxが鼓膜切開口に小ゴムブジーを反復挿入して5か月間開在させることができたと記されている。鼓膜チューブには1954年Armstrongにより作られたvinyl tubeが用いられた。その後,現在に至るまで種々のタイプのチューブが考案されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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