文献詳細
特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術マニュアル—私の方法
耳手術
文献概要
はじめに
従来の鼓膜形成術は移植片を鼓膜皮膚層と固有層の問に挟み込むため,手術侵襲がかなり大きく10日間程度の入院を必要とした。これに対し湯浅らが考案した接着法は,経外耳道的に移植片を鼓膜穿孔の内側に挿入し,フィブリン糊で穿孔縁に接着するだけなので手術侵襲がきわめて小さく,day surgery (以下,「日帰り手術」)が可能である。本法には入院を要さないこと以外に,手術直後より聴力が改善する,自然な位置に鼓膜が保てる,合併症の可能性が小さい,などの長所がある。しかし再穿孔の頻度は従来法に比べて若干高い。
従来の鼓膜形成術は移植片を鼓膜皮膚層と固有層の問に挟み込むため,手術侵襲がかなり大きく10日間程度の入院を必要とした。これに対し湯浅らが考案した接着法は,経外耳道的に移植片を鼓膜穿孔の内側に挿入し,フィブリン糊で穿孔縁に接着するだけなので手術侵襲がきわめて小さく,day surgery (以下,「日帰り手術」)が可能である。本法には入院を要さないこと以外に,手術直後より聴力が改善する,自然な位置に鼓膜が保てる,合併症の可能性が小さい,などの長所がある。しかし再穿孔の頻度は従来法に比べて若干高い。
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