文献詳細
特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術マニュアル—私の方法
耳手術
文献概要
はじめに
真珠腫性中耳炎の手術が中耳根治術,保存的根治術,そして鼓室形成術へと進歩するにつれて,開放乳突腔に起因する耳漏や2次真珠腫的痂皮蓄積が問題となり,乳突腔を外耳道へ開放しない手術法へと進歩した。すなわちposterior tympa-notomy(Jansen,1976)やintact canal wall tympanoplasty(SheefyとPatterson,1976)に始まる多くの手術法である。これらは削開乳突腔が外耳道に開放される旧来のopen法に対しclosed法と通称されるようになった。Closed法は単純性慢性中耳炎に対しては既に成功し,今日では乳突削開そのものが全く不要となった。しかし真珠腫では40%もの再発がみられ,現在はopen法への回帰を主張する立場と,closed法の改良で再発を防こうとする相反した立場が見られる。
真珠腫性中耳炎の手術が中耳根治術,保存的根治術,そして鼓室形成術へと進歩するにつれて,開放乳突腔に起因する耳漏や2次真珠腫的痂皮蓄積が問題となり,乳突腔を外耳道へ開放しない手術法へと進歩した。すなわちposterior tympa-notomy(Jansen,1976)やintact canal wall tympanoplasty(SheefyとPatterson,1976)に始まる多くの手術法である。これらは削開乳突腔が外耳道に開放される旧来のopen法に対しclosed法と通称されるようになった。Closed法は単純性慢性中耳炎に対しては既に成功し,今日では乳突削開そのものが全く不要となった。しかし真珠腫では40%もの再発がみられ,現在はopen法への回帰を主張する立場と,closed法の改良で再発を防こうとする相反した立場が見られる。
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