icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻11号

1996年10月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術マニュアル—私の方法

耳手術

6.アブミ骨手術

著者: 坂井真1

所属機関: 1東海大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.41 - P.46

文献概要

 はじめに
 現代のアブミ骨手術は,1958年にSheaが耳硬化症の手術法として,はじめて顕微鏡下にアブミ骨底板を脚とともに除去し,開窓した前庭窓を結合織でおおい,ポリエチレン管でキヌタ骨と結合織とを連結する術式(stapedectomy)を発表したことに始まる。それ以来Sheaの原法には,多くの変法が加えられ,またアブミ骨代用物の開発も盛んになったが,現在でもアブミ骨手術の原理はSheaの手術と同じである。また,Sheaは1962年にアブミ骨底を除去せずに,底板に小孔を開けてテフロンピストンを挿入し,キヌタ骨との問に連鎖を再建するstapedotomyを発表した。
 代用アブミ骨として,かってゼルフォーム・ワイヤーが使用されたが,最近では外リンパ瘻の合併症が多いので使用されなくなった。現在ではステンレススチールピストン,テフロンピストン,テフロンワイヤーピストンなどピストン型のものが市販されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら