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特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術マニュアル—私の方法 口腔・咽頭手術
5.咽頭弁形成術
著者: 新美成二1
所属機関: 1東京大学医学部音声言語医学研究施設
ページ範囲:P.88 - P.92
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鼻咽腔閉鎖不全は,音声言語医学的に開鼻声や異常構音の習慣の原因になるほか,嚥下や哺乳に問題を生じたり,耳疾患や鼻疾患の原因となる。したがって,われわれ耳鼻咽喉科医はその対処に迫られることがある。鼻咽腔閉鎖不全の原因の多くは先天奇形である口蓋裂であるが,ほかに神経筋疾患に伴う軟口蓋麻痺や頭蓋底手術の後遺症としての混合性喉頭麻痺によることもある。特に混合性喉頭麻痺の場合は声門閉鎖不全や輪状咽頭筋機能不全を伴うことが多いので,誤嚥が主訴となることが多い。
先天性の口蓋裂は生下時に気がつかれ,処置されていることが多い。われわれ耳鼻咽喉科医が遭遇することが多いのは開鼻声や,異常構音などの言語障害,嚥下障害などの機能障害が前面に出ている症例である。したがって口蓋裂の場合は再手術例が多く,そのような症例には咽頭弁形成術を施行することが多い。また種々の原因による麻痺は,通常は軟口蓋短縮などの形態的な異常がないから口蓋の延長は必要なく,咽頭弁形成術を行うことによって機能回復が得られることが多い。
鼻咽腔閉鎖不全は,音声言語医学的に開鼻声や異常構音の習慣の原因になるほか,嚥下や哺乳に問題を生じたり,耳疾患や鼻疾患の原因となる。したがって,われわれ耳鼻咽喉科医はその対処に迫られることがある。鼻咽腔閉鎖不全の原因の多くは先天奇形である口蓋裂であるが,ほかに神経筋疾患に伴う軟口蓋麻痺や頭蓋底手術の後遺症としての混合性喉頭麻痺によることもある。特に混合性喉頭麻痺の場合は声門閉鎖不全や輪状咽頭筋機能不全を伴うことが多いので,誤嚥が主訴となることが多い。
先天性の口蓋裂は生下時に気がつかれ,処置されていることが多い。われわれ耳鼻咽喉科医が遭遇することが多いのは開鼻声や,異常構音などの言語障害,嚥下障害などの機能障害が前面に出ている症例である。したがって口蓋裂の場合は再手術例が多く,そのような症例には咽頭弁形成術を施行することが多い。また種々の原因による麻痺は,通常は軟口蓋短縮などの形態的な異常がないから口蓋の延長は必要なく,咽頭弁形成術を行うことによって機能回復が得られることが多い。
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