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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術マニュアル—私の方法 頸部の手術

3.頸部郭清術(classical neck dissection)

著者: 鎌田信悦1

所属機関: 1癌研究会附属病院頭頸科

ページ範囲:P.145 - P.151

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 はじめに
 頸部郭清術は頸部リンパ節転移に対する最も確実な術式である。定型的な術式では,内頸静脈周囲の深頸リンパ節のみならず,オトガイ下部から後頸部まで頸部リンパ節のほぼ全領域を郭清(図1)する。近年,原発巣と転移部位の頻度が集計され,症例によっては,必ずしも全頸部を郭清する必要がないことが明らかとなった。たとえば喉頭癌では顎下部,オトガイ下部には転移することはきわめて少なく,郭清することはなく,また症例によっては後頸部あるいは下深頸リンパ節の郭清を省略できる。
 それゆえQOLを考慮する最近の手術傾向では,胸鎖乳突筋と内頸静脈は保存する術式(modified neck dissection)が増加してきており,本稿で述べる頸部郭清術の適応はやや少なくなりつつある。とはいえ頸部郭清術(classicalまたはradical neck dissection)はリンパ節転移の基本的な術式に変わりはなく,modified neckdissectionを正しく行うためには本術式を熟知していることが必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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