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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻12号

1996年11月発行

Current Article

ヒト内耳の走査型電子顕微鏡による観察

著者: 星野知之1

所属機関: 1浜松医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.939 - P.947

文献概要

 はじめに
 耳疾患についての病理学的知識の大部分は,セロイジン連続切片の光学顕微鏡(光顕)検査から得られたものである。それを集大成したSchukne-chtの名著“Pathology of the Ear1)”はこれからも臨床家にとって良い道標であり続けるはずである。一方電子顕微鏡(電顕)が内耳へも応用されて,個々の細胞の超微の形態さらに分子生物学との連携で機能の解明にまで知識を深めてくれたが,その多くは材料として動物を使って得られたものである。臨床のためにはヒトでの状態を知りたいのであるが,死後変化の問題もあってヒト内耳への電顕の応用は,あまり活発にはおこなわれていない。
 筆者は電顕の中でも走査型電顕(SEM)を使ってこれまで成人25例,胎児12例の内耳を観察してきた。以下にこれまで知り得たヒト内耳の所見を概括してみる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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