文献詳細
原著
文献概要
はじめに
抗生剤や画像診断の発達した現在では,深頸部感染症から縦隔洞に炎症が波及することは,早期の抗生剤投与と外科的処置により少なくなっている。しかしながら,われわれは,糖尿病と閉塞性動脈硬化症の基礎疾患をもつ患者で,急性扁桃炎から深頸部感染症を生じ,抗生剤投与と頸部に外科的ドレナージを行ったにもかかわらず,さらに急速に縦隔洞炎を生じ,極めて重篤な状態に陥った患者を経験した。経過中に,細菌性ショック,膿胸,肺炎の併発,閉塞性動脈硬化症の悪化による右足壊死がみられたが,集中治療室管理として無事救命し得たので,この経過を文献的考察を加え報告する。
抗生剤や画像診断の発達した現在では,深頸部感染症から縦隔洞に炎症が波及することは,早期の抗生剤投与と外科的処置により少なくなっている。しかしながら,われわれは,糖尿病と閉塞性動脈硬化症の基礎疾患をもつ患者で,急性扁桃炎から深頸部感染症を生じ,抗生剤投与と頸部に外科的ドレナージを行ったにもかかわらず,さらに急速に縦隔洞炎を生じ,極めて重篤な状態に陥った患者を経験した。経過中に,細菌性ショック,膿胸,肺炎の併発,閉塞性動脈硬化症の悪化による右足壊死がみられたが,集中治療室管理として無事救命し得たので,この経過を文献的考察を加え報告する。
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