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原著
インターフェロン投与中に感音難聴を生じた3症例
著者: 片野宏明1 飯野ゆき子1 澤木誠司1 今村祐佳子1 水谷俊美1
所属機関: 1帝京大学医学部耳鼻咽喉科学講座
ページ範囲:P.1040 - P.1045
文献購入ページに移動近年慢性活動性肝炎に対し,インターフェロン療法が積極的に行われるようになってきている。それに伴い精神神経症状1),眼症状2),甲状腺機能異常3)など種々の副作用が臨床の場において報告されてきている。耳鼻科領域における副作用としては難聴,平衡障害,耳鳴などの報告4〜8)があり,何らかの内耳障害が示唆されているが,報告例も少なく,その詳しい機序に関しては不明の点が多い。現在までのインターフェロン(以下IFNと略)投与中に生じた感音性難聴例では,ほとんどの症例が投与中止後に聴力の回復をみている。今回われわれの経験したIFN投与中に骨導閾値上昇をきたした3症例では,これまでの報告と異なりIFN中止後も聴力改善がほとんど認められなかった。本稿では,これらの3症例を報告するとともに,若干の文献的考察を加え,その作用機序について検討を加えた。
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