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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻4号

1996年04月発行

鏡下咡語

沖縄県の補聴器の現状

著者: 野田寛1

所属機関: 1琉球大学医学部耳鼻咽喉科学講座

ページ範囲:P.344 - P.345

文献概要

 ◆はじめに
 補聴器に信用がない。「補聴器はガアガアうるさいばかりで,頭が痛くなり,言葉がわからないから,いらない」という人が殆どである。そして付けないでいると,徐々にコミュニケーションがとれなくなり,家族・社会より孤立,遊離して行き,お年寄りの場合には老化が,ボケが進んで行く。老人ホームなどを訪れると,このような人を多く見掛ける。そして,補聴器を良く聴こえるように調整してあげても,「この補聴器は良く聴こえるけれど,いらない!!」と云う。その人の生活状況をみると,もはや聴く必要のない人生になっているのがわかる。この人が聴こえが悪くなり始めた時に,良く適合した補聴器に巡り合っていたら,別の人生になっていたのではないかと残念に思うことが多い。
 また,補聴器を付けていても,適合していないので言葉がよく理解出来ない人が多いのに気付く。
 どうして,こんな状態になってしまったのか?補聴器は,そんなに駄目なものなのか?

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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