文献詳細
原著
フィブリン併用カルボプラチン局所注入療法
著者: 中野友明1 長寛正1 森口誠1 松田泰明1
所属機関: 1大阪市立総合医療センター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.352 - P.355
文献概要
近年,抗癌剤を用いて動脈塞栓療法,ミサイル療法,温熱療法などの各種局所療法が開発され,臨床応用も行われ注目を集めているが,一般的には癌は全身疾患と考えられ,抗癌剤は全身投与されるのが主流である。しかし,全身投与では骨髄機能低下や腎機能低下のある症例では投与量も制限され,その治療効果も減少する。
そこで,抗癌剤をフィブリノーゲン-トロンビンとともに腫瘍局所に注入することにより局所滞留を促し,腫瘍の縮小および全身的副作用の軽減を目的とした治療法を考案し,骨髄機能低下,腎機能低下のある症例に対して副作用が出現することなく臨床的奏効を認めたので報告する。
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