文献詳細
原著
気管切開を繰り返しカニューレ抜去困難をきたしたクルーゾン病の1例
著者: 石川雅洋1 田中久哉1 原一彦1 寺尾恭一1 細井裕司1 村田清高1
所属機関: 1近畿大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.405 - P.408
文献概要
クルーゾン病は早期頭蓋骨癒合,上顎骨形成不全,眼球突出を主訴とする発育不全症候群で,約半数に常染色体優性遺伝を認める1)。
本疾患では,上顎骨の低形成のため気道狭窄が問題となることがある2)。そのため気管切開をうける可能性があるが,本疾患と気道狭窄,気管切開についての詳細な報告は少ない。今回,われわれは気管切開を繰り返しカニューレ抜去困難をきたしたクルーゾン病の1例を経験した。狭窄部の病理所見から本疾患における気道狭窄発生の原因を考察し,本疾患における気管切開時の注意点に言及する。またカニューレ抜去困難の治療にRotary door flap法が有用であったのでその方法も併せて紹介する。
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