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原著
頸部キャッスルマン病の1例
著者: 小林吉史1 本間裕1 野中聡1 川堀眞一1 海野徳二1 長野悦治2
所属機関: 1旭川医科大学耳鼻咽候科学教室 2道立紋別病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.444 - P.448
文献購入ページに移動キャッスルマン病は1954年にCastlemanら1)が縦隔に発生した腫瘤をhyperplasia of medias-tinal lymph nodesとして初めて報告した特異な組織像を呈するリンパ増殖性疾患である。その後Kellerら2)が本疾患を組織学的見地からhyaline-vascular typeとplasma cell typeとに大別した。また成因については主に免疫組織化学的見地から炎症説,腫瘍説,過誤腫説など諸説があり3,4)意見の統一をみていない。疾患の概念が未だ明確にはされていないなかで,本疾患をリンパ腫境界病変としてとらえる見方もあり悪性リンパ腫との関連が注目されている。
本論文では頸部に発生したhyaline-vasculartypeのキャッスルマン病を報告し,本疾患と悪性リンパ腫との関連に関して文献的考察を加えた。
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