文献詳細
原著
多発性脳神経麻痺を呈したEngelmann病症例
著者: 小林吉史1 高原幹1 野中聡1 海野徳二1
所属機関: 1旭川医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.449 - P.453
文献概要
Engelmann病は1920年にCockayneによって初めて報告された骨系統疾患であり,四肢の筋萎縮と長管骨骨幹部の骨肥厚,骨硬化を特徴とする遺伝性疾患である。1929年,Engelmann1)によって8歳の典型例がosteopathia hyperostotica scleroticans multiplex infantilis (先天性多発性肥厚性骨症)として再度報告され,今日彼の名をとってEngelmann病と呼ばれるようになった。Engelmann病の骨病変は四肢骨に好発するが,進行して頭蓋骨にも及び,合併症として脳神経麻痺,脳圧亢進も起こすことがある。今回,経過観察中に顔面神経麻痺,顔面知覚麻痺,難聴など多発性脳神経麻痺を呈したEngelmann病を経験したので報告する。
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