icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻6号

1996年06月発行

原著

スギ花粉非感作・ヒノキ花粉感作例の臨床像

著者: 山際幹和1 藤田健一郎1 木村則昭2 中西やよい2 行岡茂2 中西繁夫2

所属機関: 1松阪中央総合病院耳鼻咽喉科 2松阪中央総合病院臨床中央検査室

ページ範囲:P.490 - P.493

文献概要

 はじめに
 わが国の花粉症のなかで最も問題となるのはスギ花粉症であることには異論がない。その患者数は1970年代に入ってから急増し1),近年増加の一途をたどっている。他方,ヒノキ花粉は,近年,樹林面積の増加に伴いスギ花粉を上回るほど多く飛散する花粉となり2),その感作を受ける機会は多いと考えられ3),われわれも,昨今ではヒノキ花粉症を十分念頭においた診察を行っている。
 今日までの研究で,ヒノキ花粉とスギ花粉が共通抗原性を有することも明らかにされており4),われわれの検討でも,ヒノキ花粉特異的IgE抗体陽性例の93%はスギ花粉特異的IgE抗体も陽性であった3)
 なかには,ヒノキ花粉に単独で感作されたと思われる症例も観察され,臨床的に興味が持たれるが,その実体は必ずしも明白ではない。そこで,ここではスギ花粉非感作・ヒノキ花粉感作例の臨床像を若干の文献的考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら