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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻6号

1996年06月発行

原著

口蓋形成術前後における滲出性中耳炎の統計学的観察

著者: 中村義敬1 西澤典子1 佐藤公輝1 犬山征夫1 井川浩晴2 杉原平樹2 小橋真美子3

所属機関: 1北海道大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2北海道大学医学部形成外科学教室 3耳鼻咽喉科麻生病院

ページ範囲:P.505 - P.508

文献概要

 はじめに
 口蓋裂児に,滲出性中耳炎をはじめとする中耳疾患が正常児に比して多発することはよく知られている。この原因として,口蓋帆挙筋,口蓋帆張筋の走行異常・付着異常および形成不全1〜4),筋の線維化5),耳管自体の形成・形態異常6),耳管粘膜の炎症7)などによる耳管機能障害が考えられている。口蓋裂による鼻咽腔閉鎖機能不全の改善のために,口蓋形成術が施行されるが,口蓋形成術が滲出性中耳炎にいかなる影響を及ぼすかについての評価は一定しておらず,とくに口蓋形成術の術式の違いによる滲出性中耳炎の予後をみた報告は少ない。そこで今回われわれは,口蓋形成術の滲出性中耳炎への影響をみるため術後4週で滲出性中耳炎の有無を観察し,さらに術式の違い,鼻咽腔閉鎖度と滲出性中耳炎との予後についても検討し若干の知見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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