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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻6号

1996年06月発行

医療ガイドライン

小児副鼻腔炎に対する三者併用療法—小児副鼻腔炎治療における新しい展開

著者: 調賢哉12 調信一郎1

所属機関: 1調クリニック(耳鼻咽喉科・頭頸部外科) 2元鹿児島大学

ページ範囲:P.539 - P.543

文献概要

 はじめに
 私どもが行っている,小児副鼻腔炎に対する中鼻道経由キリアン洗浄管を用いて行う上顎洞洗浄法(以下,上洗と略)は,特に限局感染型およびその合併症であるいわゆる「原因不明熱」「原因不明頭痛」「副鼻腔気管支症候群」「化膿性上顎洞炎を伴ったアレルギー性鼻炎,気管支喘息および滲出性中耳炎」に著効を示すことは従来より発表してきたとおりであり1,2),症例は2,000例を超している。
 しかし,対象を限局感染型に限定し,起炎菌に対する第一選択剤とされるアンピシリン系抗生剤投与下に上洗を行っても,その20%は全く効果を示さなかった。この20%の難治例,すなわち10回,20回,30回と洗っても多量の膿汁が排出される例に対して,私どもは,その対策に苦慮していた。しかし,ニューマクロライド(CAM・RXM)を使用しながら上洗を行えばさらに治癒率がよくなること,最近,さらに塩酸アゼラスチン内服の併用,すなわち上洗,ニューマクロライド内服,塩酸アゼラスチン内服の「三者併用療法」を行えば,さらに治癒率が向上することを知ったので報告する。これは小児副鼻腔炎治療における新しい展開といえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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