icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科68巻7号

1996年07月発行

原著

耳下腺唾液瘻の治療—特に臭酸スコポラミンとの併用療法の有用性について

著者: 田村嘉之1 所芳男2 堀内正敏1 坂井真1

所属機関: 1東海大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2所耳鼻咽喉科医院

ページ範囲:P.566 - P.570

文献概要

 はじめに
 耳下腺腫瘍の外科治療に生じる唾液瘻の頻度は3%前後である。また,唾液瘻は導管の損傷部位の違いから2つに大別される。腺外の主管損傷による管瘻性唾液瘻と腺内の導管損傷による腺瘻性唾液瘻である。管瘻性唾液瘻の治療は導管形成術や耳下腺全摘出術などの外科治療が行われる。腺瘻性唾液瘻の治療は,局所圧迫などの保存的治療や,耳介側頭神経から顔面神経に交通枝を介して移行する副交感神経線維を切断するLericheの手術などの外科的治療が行われる。
 われわれは腺瘻性唾液瘻9例に対して局所圧迫単独治療と抗コリン作動性効果遮断薬である臭酸スコポラミンを併用した治療の2種類の治療法を行った。過去に臭酸スコポラミンによる治療報告はなく,われわれは腺瘻性唾液瘻の臭酸スコポラミンによる併用治療の有用性を検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら