文献詳細
原著
回転性めまいの既往を有した聴力正常な聴神経腫瘍例—非典型的病像を呈した聴神経腫瘍(その4)
著者: 藤井守1 吉本裕2 矢部多加夫2
所属機関: 1厚生連広島総合病院耳鼻咽喉科 2帝京大学医学部耳鼻咽喉科学講座
ページ範囲:P.617 - P.622
文献概要
聴神経腫瘍(以下AT)の多くは進行性の一側性難聴・耳鳴を主訴とし,検査上一側性感音難聴を認め,温度眼振検査で高度の反応低下を示すものとされてきた1,2)。しかし,近年の放射線学的診断技術の進歩により早期に発見されるため,最近は前述の症状を欠くいわゆる非典型例の報告が増加している1)。
今回われわれは,既往に回転性めまいを有し,その後の軽度の浮動感のみを主訴とした聴力正常のAT症例を経験したので報告する。
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