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トピックス 聴神経腫瘍
1.聴覚および平衡機能からみた聴神経腫瘍
著者: 青柳優1
所属機関: 1山形大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.643 - P.653
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MRIの普及した今日では,聴神経腫瘍(AN)の診断は決して難しいものではない。MRIによって5mm程度のANが見つかることもしばしばである。また,ANによる蝸牛・前庭症状はなにも訴えていない患者に対して,別の脳疾患を診断する目的でMRIを施行して偶然にANが診断されたり,耳鳴で長年耳鼻咽喉科にて治療を受けていた患者が,知人の勧めでMRIのある精神病院を受診してANの診断を受け,紹介されたなどということも経験する。このような症例を見るにつけ,ANの診断における耳鼻咽喉科医の役割について考えさせられるものがある。
このように小腫瘍のうちに診断される機会が増えた今日,すぐには手術をせず経過観察とする症例が増えていることを考えると,耳鼻咽喉科的検査のAN診断と治療における意義は,MRI検査にまわす症例の選択,即ちスクリーニング検査としての意義はもちろんのこと,むしろ手術やガンマナイフによる治療後の顔面神経麻痺や難聴などの神経症状の予測と把握にもあると思われる。
山形大学医学部附属病院では1988年7月にMRIが導入されたが,本稿ではこの前後におけるAN症例の聴覚検査所見,平衡機能検査所見の変化を中心に,腫瘍径と検査所見の関係,およびこれら検査所見による治療後の神経症状の予測と把握の可能性について述べる。
MRIの普及した今日では,聴神経腫瘍(AN)の診断は決して難しいものではない。MRIによって5mm程度のANが見つかることもしばしばである。また,ANによる蝸牛・前庭症状はなにも訴えていない患者に対して,別の脳疾患を診断する目的でMRIを施行して偶然にANが診断されたり,耳鳴で長年耳鼻咽喉科にて治療を受けていた患者が,知人の勧めでMRIのある精神病院を受診してANの診断を受け,紹介されたなどということも経験する。このような症例を見るにつけ,ANの診断における耳鼻咽喉科医の役割について考えさせられるものがある。
このように小腫瘍のうちに診断される機会が増えた今日,すぐには手術をせず経過観察とする症例が増えていることを考えると,耳鼻咽喉科的検査のAN診断と治療における意義は,MRI検査にまわす症例の選択,即ちスクリーニング検査としての意義はもちろんのこと,むしろ手術やガンマナイフによる治療後の顔面神経麻痺や難聴などの神経症状の予測と把握にもあると思われる。
山形大学医学部附属病院では1988年7月にMRIが導入されたが,本稿ではこの前後におけるAN症例の聴覚検査所見,平衡機能検査所見の変化を中心に,腫瘍径と検査所見の関係,およびこれら検査所見による治療後の神経症状の予測と把握の可能性について述べる。
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