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トピックス 聴神経腫瘍
3.経迷路法聴神経腫瘍摘出術
著者: 小松崎篤1
所属機関: 1東京医科歯科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.665 - P.670
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聴神経腫瘍摘出術には,いくつかのアプローチ法がある。後頭蓋窩法,中頭蓋窩法,経迷路法などがその代表的なものである。その各々のアプローチ法にはそれぞれ利点,欠点があるが,ここではわれわれが比較的多く用いている経迷路法について述べる。
この経迷路法の利点の代表的なものは,内耳道内の腫瘍を内耳道の後壁より直接明視下におくため,内耳道底から内耳孔まで十分な視野の中に収めることができることであり,また内耳道底で顔面神経の同定が最も容易であるために顔面神経の障害は一般的に上記3つの方法の中では最も少ないものとされている。このように顔面神経の同定保存には良い方法といえるが,迷路骨胞を開放するために術後聴力が聾となることが最大の欠点で,したがって,経迷路法の適応としては聴力が高度難聴の症例が主に対象となる。
聴神経腫瘍摘出術には,いくつかのアプローチ法がある。後頭蓋窩法,中頭蓋窩法,経迷路法などがその代表的なものである。その各々のアプローチ法にはそれぞれ利点,欠点があるが,ここではわれわれが比較的多く用いている経迷路法について述べる。
この経迷路法の利点の代表的なものは,内耳道内の腫瘍を内耳道の後壁より直接明視下におくため,内耳道底から内耳孔まで十分な視野の中に収めることができることであり,また内耳道底で顔面神経の同定が最も容易であるために顔面神経の障害は一般的に上記3つの方法の中では最も少ないものとされている。このように顔面神経の同定保存には良い方法といえるが,迷路骨胞を開放するために術後聴力が聾となることが最大の欠点で,したがって,経迷路法の適応としては聴力が高度難聴の症例が主に対象となる。
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