文献詳細
原著
頭頸部扁平上皮癌に対するCYFRAの臨床的有用性についての検討
著者: 樋口栄作1 飯塚桂司1 庄田英明1 武市紀人1
所属機関: 1市立釧路総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.685 - P.690
文献概要
腫瘍マーカーは癌の早期発見や治療後のフォローアップ,癌の診断・鑑別診断などに臨床的有用性が認められている1)が,最近新しい腫瘍マーカーとしてCYFRAが開発され,肺癌や子宮癌においてその有用性が報告されている2〜5)。CYFRAは細胞の線維性骨格を形成する蛋白質であるcytokeratinのsub-unitの1つであるcytoker-atin 19 fragmentを,特異的に認識するモノクローナル抗体により検出される抗原である4)。Cytokeratin 19はcytokeratinの中間径フィラメントのsub-unitで,各種の上皮組織や悪性腫瘍での発現が認められている6)。
当科では,従来頭頸部癌の治療にSCC抗原を利用してきたが,平成6年10月よりCYFRAを導入し,頭頸部扁平上皮癌に対するCYFRAの有用性についてSCC抗原と比較,検討したので報告する。
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