文献詳細
文献概要
原著
労作時呼吸困難と発声困難を主訴とした陳旧性披裂軟骨脱臼の治験例
著者: 白馬伸洋1 比野平恭之1 湯本英二1
所属機関: 1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.696 - P.700
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喉頭外傷における披裂軟骨脱臼は稀な疾患であるとされてきた。その発生機序としては交通事故などの体外からの力で発生する外損傷性のものと,気管内挿管や消化管内視鏡検査などの医療行為時に発生する内損傷性の喉頭外傷とに大きく分けられる。特に外損傷性の場合,輪状披裂関節が喉頭の後方に位置し可動性も大きく弾力に富んだ関節包であるため,単独で生じたという報告はきわめて少ない1〜3)。今回われわれは,幼少時期の交通外傷が原因と考えられる披裂軟骨脱臼による嗄声と労作時の呼吸困難を訴えた症例を経験し,その音声改善に苦慮したので若干の文献的考察を加え報告する。
喉頭外傷における披裂軟骨脱臼は稀な疾患であるとされてきた。その発生機序としては交通事故などの体外からの力で発生する外損傷性のものと,気管内挿管や消化管内視鏡検査などの医療行為時に発生する内損傷性の喉頭外傷とに大きく分けられる。特に外損傷性の場合,輪状披裂関節が喉頭の後方に位置し可動性も大きく弾力に富んだ関節包であるため,単独で生じたという報告はきわめて少ない1〜3)。今回われわれは,幼少時期の交通外傷が原因と考えられる披裂軟骨脱臼による嗄声と労作時の呼吸困難を訴えた症例を経験し,その音声改善に苦慮したので若干の文献的考察を加え報告する。
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