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原著
口内法により治療した顎下型ガマ腫の1例
著者: 狩野茂之1 池田勝久1 大島猛史1 丹野哲子1 下村明1 小倉正樹1 髙坂知節1
所属機関: 1東北大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.706 - P.709
文献購入ページに移動ガマ腫は,口腔底にみられ,舌下腺に由来する粘液嚢胞であり,ほとんどのものが上皮をもたない偽嚢胞である1〜6)。その発生部位により舌下型,舌下顎下型,顎下型に分類されている。顎下型は,顎舌骨筋の後縁や裂隙を通り,顎下部・側頸部に達するものと定義されている。鑑別診断を要する疾患として,その部位的形態的特徴から皮様嚢腫,嚢胞性リンパ管腫など多数が挙げられている1,3,7)。顎下型ガマ腫の治療法に関しては様々な意見があり,今日においても議論の絶えないところである。今回われわれは,MRIにより術前診断された顎下型ガマ腫において,口内法による舌下腺全摘出術で治療した症例を報告する。
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